冬至から遅れること三日、柚子風呂をやってみた。柚子は冬至の日に買っていたのだが、入れるのを忘れていたりシャワーで済ませたり入る気力が失せたりで、ほったらかしだったのである。ドアを開けるとむわっと寄せてくる湯気に、いつもと違う柑橘系の香りが漂っているのはなかなか良かった。柚子には保温効果があるそうだが、そちらについてはよくわからなかった。
昨日へそを曲げた倉庫鯖は、今日は機嫌良く動いている。ハードの故障ではないようで、とりあえずほっとしているが、Mac OS X Server のくせにいつのまにか調子が悪くなってましたというのも困った話だ。まったく、窓鯖じゃあるまいし。
今年のクリスマス・イブは散々である。まず、朝起きたら
倉庫鯖 が落ちていた。マシン自体は動いているのだが、どのクライアントからも軒並みアクセスできない。おかしいなと思ってディスプレイを点けてみても反応がなく、仕方がないから再起動したら、起動しなくなってしまった。システムフォルダが見つかりませんなどと抜かすのである。心臓が二秒程凍り付く。
とりあえず Mac OS 9 の CD-ROM を突っ込んで C 起動。MySQL のデータなど、クリティカルなものを直接拾う。その後 DiskFirstAid をかけてみるものの、深刻なエラーがあるらしく、修復できない。しかし重要なデータを拾い終えたおかげで、それまでハラハラしていたのが何とか落ち着き、Mac OS X Server のボリュームが修復できるかどうか自信はないが失敗したらインストールしなおしてやれと、やや乱暴ながら
円盤戦士 に HDD の修復を依頼。ダメもとといったら聞こえが悪いが、メーカーのサイトにも対応状況が載っていないため、半分そのような心境だった。だが流石は林檎業界の誇る屈強な戦士である。並み居るエラーをバッサバッサとなぎ倒し、見事に修復してくれた。ありがとう、アルソフト。
それだけで午前中は丸々潰れてしまったので、まあ昼食でもとサンドイッチを作ろうとしたら、冷蔵庫にキュウリが見あたらぬ。むぅ。しかしピーマンが案外代用になったので助かった。相方がトンカツを揚げてくれたので、カツサンドも作ってみた。
夕方、これだけ寒いというのに蚊が飛んでいた。二匹も叩き潰した。叩き潰しておいて何であるが、こいつらぼくなどよりずっと元気がいいな。ぼくは例によって鼻風邪である。くしゃみと鼻水が止まらない。そういえば去年のクリスマスも、相方共々風邪をひいて寝込んでいた気がする。それに比べたら、今年は仕事が出来た分だけ、まだマシな方かもしれない。
バタバタしていたので、夕食は車で
サイゼリア へ。サイゼリアというのは、ご存知の方もいるだろうが、イタリア料理がメインのファミレスである。大阪へ来て初めてその存在を知ったので、もしかすると関西をメインに展開しているのだろうかと思ってサイトの店舗情報を見てみたら、別にそんなことはなかった。しかし、まるで
大和朝廷 のような
領土 店舗の広がり具合からすると、比較的新しいファミレスなのかもしれない。
ファミレスというと安くて色々な料理が揃っているのが取り柄で、味の方は大したことがない、というのが世間の認識としては一般的だ。一般論としては異論のないところである。だが、サイゼリアに関しては少々事情が異なる。イタリア料理以外はメニューで肩身の狭い思いをしているし、そのイタリア料理ですら、同業のフラカッソなどと比べると種類は決して多くない。
その代わり、味に妥協がない。化学調味料でごまかしているようなせこい味付けではなく、素材も調味料も確かなものを使い、実に豊かな味わいを表現している。メニューが少ないといっても全てを食べたわけではないので、全ての料理の味を保証しろなどと言われると困るが、しかしこれは世間で認知されているようなファミレスの味ではない。なかんずくマルゲリータピザは絶品だ。
二人で満足するまで食べても、うまくメニューを選べば二千円ちょっとで足りるし、こちらの面でも合格点だ。
大和朝廷といえば今日は天皇誕生日であった。天皇陛下万歳。ぼくは思想的に左右の別のない人間であるが、天皇家の存在は日本人の精神世界に欠くべからざるものだと思っている。天皇家を否定することは日本史の全否定につながる。ナショナリズムどうこうではなく、自国の歴史をないがしろにするべきではない。
駅前の時計屋で、腕時計の電池を交換した。時計屋の主人が目の前で器用に作業をするのを見ているのはとても楽しい。腕から外し、今し方止まったばかりのような顔をして差し出したのだが、「これは三年間止まったままだったんですか」と、簡単に見破られてしまった。電池を交換し、時刻を合わせてくれたのだが、三年も止まっていたおかげで竜頭の動きが悪かったのか、油を差してくれた。鮮やかな手腕にほれぼれして、ぼくも今日から時計屋の主人になろうかと戯れに言ってみたら、不器用だから無理に決まっていると相方に言われた。一般人よりは器用なつもりなのだが、まあ確かに無理な話ではある。
新潮文庫に入っている漱石の猫を買ってきて、読んでいる。これを初めて読んだのは中学一年生のときだ。中学生のことだから難解な漢字をある程度廃した、いわば子供版を買ってきて読んでいた。この本は都合六回は読んでいて、今も手元にある。もはや愛蔵版であるが、いい加減ひらがなの多いこの本も読みづらくなってきたので、今回新潮文庫を買った次第である。何度読んでも新たな面白さが発見できる。かような良書はそうそうあるものではない。
年末に向けて〆切がまたひとつ増えた。整体に行きつつ頑張ることにする。
カール・ルイスが自動車のスピード違反で捕まったそうだ。下手なジョークみたいであるが、常に世界最速たらんとするその心意気だけは素晴らしい。