amazon.co.jpで『孫ピン兵法』を買った。ピンというのは2ちゃんねる風に書くと月賓という字で、JIS第三水準漢字であるため、普通のフォントでは表示できない。だが、Mac OS Xを使ってヒラギノフォントをブラウザの標準に使っている人なら表示できる。わざとここに書くと「臏」である。
中国史に少し詳しい人ならご存知だと思うが、孫ピンというのは戦国時代の兵法家で、斉に仕え魏を討った人である。彼の先祖に春秋時代の兵法家孫武がいて、彼は呉に仕えて功績をあげ、有名な兵法書『孫子』を著した。また、孫ピンも兵法書を書いて『孫子』と題したが、古代中国人も流石にこれでは紛らわしいと思ったのか、『斉孫子』などと呼んで区別していたようである。
現在伝わっている『孫子』十三篇は孫武の著述によるもので、後漢時代に魏武王曹操が編纂したものである。では後者はどうなったかというと、散逸し、長らく失われたままであったが、1972年になって山東省で竹簡が出土し、ようやく現代に甦った。以来、こちらは『孫ピン兵法』と呼ばれている。ぼくが買ったのは村山孚氏の訳本(徳間書店、1976年初版)である。ずっと読んでみたかったので、日本語訳が出版されていたと聞いて喜び、即購入したのである。
古本だけどな。ハードカバーの本、高過ぎです。
アマゾンのユーズド商品に出品しているのは個人だけかと思ったら、この本は神田の古書店から届けられた。古本の並んだ書棚を眺めたらいろいろと欲しい本があるのだろうな、と思う。
税務署に行ったら、開いていた事は開いていたのだが、いやに静まり返っている。照明も落ちていて薄暗い。これはどうしたことだろうと思ったら、驚いた事に「12時〜1時は昼休みです」という意の看板が立っていた。ははぁ、確かにちょうど昼時だなと合点がいったが、合点がいくのと腑に落ちるのとはまた別問題である。一斉に昼休みって、一体どこの中学校ですか。
さてここからは昨日の続き、つまりiTunes Music Storeが今後いかに展開していくべきかに思いを馳せることにしようかと思ったが、ちょっと仕事がつまっていてそんな時間がないので、また明日に回すことにしよう。こんなことを言っている内に
すっかり忘れてしまいそうであるが、もし本当に忘れたとしても人は白林檎を非難してはならぬ。ことわざにも言うだろう、「ダイエットは明日から」(この一文だけは鳥坂さんの声で読まなければならない)。
まあ冗談はともかく、ちょっと他人の店の心配などしている場合ではないので、もし期待されていた方がいれば申し訳ないが、この話題はまた後日思い出した時に、ということで。
マイクロソフトといえば天下一の「後追い企業」であるが、そのマイクロソフトがこのほど音楽ダウンロード販売サービスを開始するそうである。iTunes Music Storeを擁するアップルはもちろん真っ向から対決する姿勢であり、世間もこの二社の対決をかつてのSystem 7とWindows 95の全面戦争のときように、固唾を飲んで見守っている。とはいえiTunes Music Storeの魅力はiTunes、iPodとの三位一体によって提供される統合的なサービスであるので、iTunes Music Storeとの比較だけを行うのはそもそもおかしい。
もちろんマイクロソフトもその辺は良く心得ていて、ポータブルデバイスも同時に発表している。しかしながらそのデバイスだけで再生できるような楽曲データを販売するのではなく、WMAをサポートしているプレイヤーなら機種を選ばぬようにするようだ。この辺がマイクロソフトのマイクロソフトたる由縁で、今のところiPodとしか連携できないiTunes Music Storeは、下手をするとかなりのシェアを食われるかもしれない。
現行のiPodはWMAを取り扱えないので、iPodが大人気であるうちはアップルの牙城を崩される事もないと思うが、是非ともSystem 7のときと同じ轍を踏む事のないように頑張ってもらいたいものである。とりあえずさっさとDRMを他社にもライセンスして、iPod互換機を増やすよう努力するべきだと思うのだが、まあ過去の例を見る限り、アップルがその路線はとる可能性は低いといっていいだろう。
アップルは良くも悪くもハードウェアメーカーであるから、自社ハードウェアの売り上げに響くような戦略はなかなかとりたがらない。ソフトだけを売っていればいいマイクロソフトとはアイデンティティのレベルでそもそも不利なのであるが、そんなことを嘆いていても仕方がないので、アップルが今後も無事にiTunes Music Storeを維持していくにはどうすればいいか、考えてみる事にしよう。
明日から。
地震が一度で収まらず、そればかりか二度ならず三度までも比較的規模の大きな揺れがあり、あまつさえ頻繁に余震が来ている。ぼくは元来物事を大げさに考えるクセがあり、これはもう数日のうちに大地震が来るに違いないとたちまちのうちに確信してしまったので、早速非常用持ち出しセットの用意を始めた。
水と缶詰、それからウィダーインゼリーが案外良いと聞いたので、これを六個買い溜めし、さらにカロリーメイトブロックと、カロリーの高そうでかつ保ちそうな菓子類を鞄に詰めた。さらにガーゼと消毒液とオロナイン、はさみ、頭痛薬、バンドエードと思いつく限りの汎用的な医療用品を詰め、それから貴重品の持ち出し方法を相方と相談して決定して、ここに至ってようやく落ち着きを取り戻すことが出来た。
うちには例の天川のごろごろ水がポリタンクに入って置いてあるから、飲料水については困らずに済みそうだと思っていたら、今日、タンクのひとつにカビが発生していることが判明した。これでは生では飲めず、一度沸かしてから飲む必要があり、ちょっと非常用飲料水にするには不便である。夏だからというのもあるだろうが、天然水のこういう面に弱いのは如何ともしがたい。
まあ「カビの発生しない水の方がどうかしてる」という相方の言こそ正しいような気もするが、ぼくは心配性であると同時にめんどくさがりでもあるので(だからPerlなど使っておるのだ)、非常時ならずとも頭の痛い話ではある。
相方とつまらぬ諍いをしていると、突然部屋がグラグラと揺れた。一瞬、相方が怒りの余り
スタンドでも出したのかと思った(もちろん効果音はゴゴゴゴゴ……である)が、もちろんそんなことはなく、地震である。それもただの地震ではなく、なかなかの規模の地震である。
地震の際にはまず火の始末を、というのは最近ではあまり当てはまらないようだ。都市ガスは止まるようになっているし、ファンヒーターも石油ストーブも転倒したら消えるように作られている。唯一恐いのは電熱器を使った機械だろうが、これにしても火事が発生しかねない大地震のときには停電で使い物にならないだろうから、やはり確実にやっておかねばならぬのは火の始末ではなく、避難経路の確保であるということになる。というのを最近どこかで読んだのであるが、まったくその通りであると思う。と同時になんとタイムリーな話であったかと今更ながらに驚く(最初にすべきかどうかが疑問であるだけで、なるべくなら火の始末もしておいた方がよいのはいうまでもない)。
ともあれ、とりあえず窓だけは開けてじっとしていると、やがて揺れが収まった。窓を閉め、テレビを点けてNHKにあわせる。震源は三重県沖らしい。ぼくの住んでいるあたりは震度4で、一番揺れが大きかったのは和歌山と奈良で震度5とある。ちょっと驚いたが、南海大地震のガス抜きくらいにはなっただろうか。
浅間山の噴火といい、どうも地殻の活動が活発になっているような雰囲気だ。次はどこだろう。まさか今度こそ、関東大震災ではあるまいな。