一昨日、昨日と開催された関西オープンソース2004は無事に終了した。昨年よりも配布できたCDの枚数が少なかったが、これは仕方のない話で、マイナーバージョンアップはえてして話題になりにくいのである。実際、今回のようなバグフィックスがメインのアップデートは、本来的にはパッチで対応すべきではないかと思う。新規ユーザーには単体配布がありがたかろうが、既存ユーザーにとってはありがた迷惑というのが正直なところではなかろうか。
「現在のバージョンには不具合があるから、次の新しいバージョンを買ってね」というマイクロソフト商法には当然のことながら批判が多いが、OpenOffice.orgにしろMozillaにしろ、金銭的負担はないものの本質的にはそれと同じスタンスをとっているのであって、あまりマイクロソフト批判ばかりしていると足下をすくわれそうである。次からはこの辺も考えて配布した方がいいのではないかと思った。まあ、パッチだらけになるのも鬱陶しいといえば鬱陶しいのだが。要はバランスの問題である。
今日は相方についてキャットショーに行った。相方の風邪が伝染ってのどが痛いが、様々な種類の猫を見るのは久しぶりで、なかなか楽しかった。といって、結局は他人様の猫がわらわらいるだけの場であるので、小一時間もいると飽きてくる。相方は放っておくといくらでも眺めているので、途中ちょっと抜け出して、階下の中古レコード屋に入った。ここには本当に中古のレコードが置いてある。
うちには今のところレコードプレーヤがないから、レコード盤を手に入れても飾るか投げて遊ぶくらいしか用途がないのだが、それでも探している盤がいくつかある。YMOの『テクノデリック』初回盤もそのひとつである。大抵の初回限定版はジャケットが豪華仕様だったり特典が付いていたりするものだが、『テクノデリック』についてはそうではなく、ジャケットの写真がそもそも通常版と異なる。
現在でこそYMOの最高傑作として評価の高い『テクノデリック』だが、発売当時は、前作『BGM』でライトなリスナーを置いてけぼりにしたこともあって、売り上げは惨憺たるものだったようである。初回版についても例外ではなく、つまり現在では比較的入手が困難なディスクのひとつであるらしかった。
そういうこともあって、ぼくは『テクノデリック』初回版を探していたのだが、今日はオビ付きライナーなしのものがなんと千円で売られていた。もちろん、即購入した。通常版はCDで持っていて、ジャケットの出来としてはまあ通常版の方が上だと思うのだが、ファンとして初回版の入手ほど嬉しいことはないのである。
『テクノデリック』のオビには「先着10万名様に限定ポスターをプレゼント」と書いてある。細野晴臣ではないが、アルファレコードは一体これを何十万枚売るつもりだったのだろうか。おそらくポスターは善良なYMOファン全てに行き渡った事だろう。タイムスリップ出来るなら、ぼくも一枚欲しいくらいである。
それから、オビの裏面側に「レコードの内容をカセットテープに無断で録音する事は法律で禁止されています」とあるのが興味深かった。十年後に振り返った時、現在のDRMに関する全ての議論が、この文言と同じくらい空虚に目に映じていれば良いが。
少し前の話になるが、日清食品から、どんぶり付きチキンラーメンが限定販売されていた。このどんぶり、専用に作られているだけあって、チキンラーメンを作るのには最適の形状をしている。これを使ってチキンラーメンを何度か食べているうちに、ぼくはある妄想に取り憑かれた。つまり、チキンラーメンでない普通のインスタントラーメンでも、これさえ使えば湯だけで調理できるのではなかろうか。そう思ったのである。
幸か不幸か、いつも反対する相方はもう寝入ってしまっている。やるなら今しかない。都合よくここにエースコックのワンタンメンが一袋ある。いざ、調理開始。
ところが、この調理はのっけからつまずいた。即席麺の面積が広すぎて、どんぶりに入りきらないのである。ここで諦めておけばよいものを、何とかなるだろうととりあえず湯を注いだのが間違いの元であった。麺が半分しか浸らないばかりか、どんぶりの蓋が閉まらない。とりあえず一分待つ事にする。
一分後。案の定、麺はほとんどほぐれていない。しかし湯に浸っていた部分は半ば柔らかくなっているので、箸で麺をひっくり返してみる。そしてそのまま箸でグリグリと押してみる。次第に麺はふやけ、ようやく全体が湯に浸かった。
この時点で、時計は二分を回っていた。蓋を開けていたせいで湯もいくらか冷めてしまったようだ。しかし、ここまで来て後には引けない。もう一分、蓋をしっかりと閉め、祈るような気持ちで待つ。
三分経った。おそるおそる蓋を開けると、麺は良い具合にほぐれているように見えた。粉末スープを入れてかきまぜると、何となく普通に作ったように見える。──が、冷静に観察すると、
ほとんど湯気がたっていない。やはりしばらく蓋を開けていたのはかなり失敗だったようだ。
まあ多少冷めていても大丈夫だろう。ひとくちすする。生煮えの麺を噛むと、妙な歯触りである。確かにふやけてはいるのだが、揚げ油が抜け切っておらず、噛むごとにそれが「ずるりずるり」と口の中に広がる。有体に言って、
かなりアレな食感である。というか、
正直、不味い。ひとくちでインスタントラーメンが嫌いになりそうなほどインパクトのある味わいだ。
仕方がないから全部平らげたが、油のせいで少々胸焼けがする。世の中には手を出してはいけない分野があるのだと知った。
もうすぐオープンソース関連のイベントがあるので、OpenOffice.org 1.1.3のCDを焼いて持っていこうと思い(ユーザー会で出展するのである)、650MBのCD-Rを50枚買ってきた。さあ焼こうとて、ISOイメージを現在ダウンロード中である。どうせなかなか落ちてこないからと、しばらく放っておいたのだが、ふと気になってダウンロードマネージャを見てみる。
……660MBかよ。。。_| ̄|○
すみませんM.K.さん、当日分、間に合わないかも。とりあえずポスターは間違いなく持参します。
何はともあれ、
別に怪しい催し物ではないので、お時間のある方は是非々々おいでませ。
台風の進路が東に逸れ、今日は見事な晴れ間が広がった。関東も同様らしい。流石は元・体育の日といったところか。
最近、クマが流行っているらしい。食料庫でゴソゴソやっていただの、庭の柿の木に登っていただの、
妻だと思って声をかけたら殴られただの、当事者にとってはとても笑い話にならぬ話題が毎日出てくる。
クマも大変なのだろう、いいじゃないか楽しげで、白い貝殻の小さなイヤリングをしていれば安全だ。などと無関係の人間は思うが、いざ2メートルはあろうかというクマと相対したらと考えると、ちょっとそのときの気分は想像できない。おそらくパニックだろう。死んだフリをできるかどうかも怪しい。
ただ、クマと出会ったからといって、騒いだり逃げたりするのはかえって良くないそうである。刺激しなければ大抵向こうから立ち去るとのこと。といって襲われたら当然かなりの怪我は覚悟しなければならないから、もし自宅の庭でクマがリンゴを貪っていたとしても、そっと見守っておくのが良かろう。
まあ、大阪にまでクマが出没したら、世も末であるが。
大阪に帰ってきた。これでも何かと忙しいのである。
飛行機にはもう何度となく乗っているが、今日は久しぶりに身の危険を感じた。東京は雨で、滑走路をバシャバシャと水しぶきを上げながら飛び立った機体は、すぐに真っ白な雲の中に入った。さながら軽自動車でオフロードを走っているように、振動が絶える事なく伝わってくる。まあそれは仕方がない。なにしろ雲の中なのだ。
もうしばらく上昇すれば、雲を突き抜けて、青空の下に出るものと思っていた。眼下に広がる真っ白な雲海が、彼方の水平線で雲ひとつ無い青空(当たり前だ)と接しているのは絶景である。飛行機の醍醐味といってもいい。しかるに、今日はなかなか雲の上に出ない。よほど厚い雲のようだ。まだかまだかと思っているうちに水平飛行になった。まさかとは思っていたが、このまま雲の中を飛ぶようだ。
こういうときのフライトは最悪である。振動がおさまらぬどころか、しばしばエアポケットにつかまって機体が沈み、その度に心臓が口から飛び出しそうになる。飲み物のサービスもない上、到着も遅れることが多い。
だが、ヘッドホンでクラシックを聞きながら、荒天を飛ぶのは意外に痛快なものだ。無声映画なら、飛行機の中の風景と外の風景、それにオーケストラで適当なBGMを付けてやれば、かなり面白いものが出来上がるだろう。少なくともそのつもりで乗っていれば、チャップリンになった気分を味わうことくらいは出来るのである。