白林檎ベースステーション

白林檎ベースステーションは、林檎系個人サイトです。つまり、アップルコンピュータ社の Macintosh の中途半端マニアがうだうだしているだけのサイトです。得るモノ? 他人にそんなものを求める根性は間違っています。まあ、まったりと日記などをお楽しみください。

白林檎的日常

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2004.10.10

 台風の進路が東に逸れ、今日は見事な晴れ間が広がった。関東も同様らしい。流石は元・体育の日といったところか。

 最近、クマが流行っているらしい。食料庫でゴソゴソやっていただの、庭の柿の木に登っていただの、妻だと思って声をかけたら殴られただの、当事者にとってはとても笑い話にならぬ話題が毎日出てくる。

 クマも大変なのだろう、いいじゃないか楽しげで、白い貝殻の小さなイヤリングをしていれば安全だ。などと無関係の人間は思うが、いざ2メートルはあろうかというクマと相対したらと考えると、ちょっとそのときの気分は想像できない。おそらくパニックだろう。死んだフリをできるかどうかも怪しい。

 ただ、クマと出会ったからといって、騒いだり逃げたりするのはかえって良くないそうである。刺激しなければ大抵向こうから立ち去るとのこと。といって襲われたら当然かなりの怪我は覚悟しなければならないから、もし自宅の庭でクマがリンゴを貪っていたとしても、そっと見守っておくのが良かろう。

 まあ、大阪にまでクマが出没したら、世も末であるが。

2004.10.18

 もうすぐオープンソース関連のイベントがあるので、OpenOffice.org 1.1.3のCDを焼いて持っていこうと思い(ユーザー会で出展するのである)、650MBのCD-Rを50枚買ってきた。さあ焼こうとて、ISOイメージを現在ダウンロード中である。どうせなかなか落ちてこないからと、しばらく放っておいたのだが、ふと気になってダウンロードマネージャを見てみる。

 ……660MBかよ。。。_| ̄|○

 すみませんM.K.さん、当日分、間に合わないかも。とりあえずポスターは間違いなく持参します。

 何はともあれ、別に怪しい催し物ではないので、お時間のある方は是非々々おいでませ。

2004.10.21

 少し前の話になるが、日清食品から、どんぶり付きチキンラーメンが限定販売されていた。このどんぶり、専用に作られているだけあって、チキンラーメンを作るのには最適の形状をしている。これを使ってチキンラーメンを何度か食べているうちに、ぼくはある妄想に取り憑かれた。つまり、チキンラーメンでない普通のインスタントラーメンでも、これさえ使えば湯だけで調理できるのではなかろうか。そう思ったのである。

 幸か不幸か、いつも反対する相方はもう寝入ってしまっている。やるなら今しかない。都合よくここにエースコックのワンタンメンが一袋ある。いざ、調理開始。

 ところが、この調理はのっけからつまずいた。即席麺の面積が広すぎて、どんぶりに入りきらないのである。ここで諦めておけばよいものを、何とかなるだろうととりあえず湯を注いだのが間違いの元であった。麺が半分しか浸らないばかりか、どんぶりの蓋が閉まらない。とりあえず一分待つ事にする。

 一分後。案の定、麺はほとんどほぐれていない。しかし湯に浸っていた部分は半ば柔らかくなっているので、箸で麺をひっくり返してみる。そしてそのまま箸でグリグリと押してみる。次第に麺はふやけ、ようやく全体が湯に浸かった。

 この時点で、時計は二分を回っていた。蓋を開けていたせいで湯もいくらか冷めてしまったようだ。しかし、ここまで来て後には引けない。もう一分、蓋をしっかりと閉め、祈るような気持ちで待つ。

 三分経った。おそるおそる蓋を開けると、麺は良い具合にほぐれているように見えた。粉末スープを入れてかきまぜると、何となく普通に作ったように見える。──が、冷静に観察すると、ほとんど湯気がたっていない。やはりしばらく蓋を開けていたのはかなり失敗だったようだ。

 まあ多少冷めていても大丈夫だろう。ひとくちすする。生煮えの麺を噛むと、妙な歯触りである。確かにふやけてはいるのだが、揚げ油が抜け切っておらず、噛むごとにそれが「ずるりずるり」と口の中に広がる。有体に言って、かなりアレな食感である。というか、正直、不味い。ひとくちでインスタントラーメンが嫌いになりそうなほどインパクトのある味わいだ。

 仕方がないから全部平らげたが、油のせいで少々胸焼けがする。世の中には手を出してはいけない分野があるのだと知った。

2004.10.24

 一昨日、昨日と開催された関西オープンソース2004は無事に終了した。昨年よりも配布できたCDの枚数が少なかったが、これは仕方のない話で、マイナーバージョンアップはえてして話題になりにくいのである。実際、今回のようなバグフィックスがメインのアップデートは、本来的にはパッチで対応すべきではないかと思う。新規ユーザーには単体配布がありがたかろうが、既存ユーザーにとってはありがた迷惑というのが正直なところではなかろうか。

「現在のバージョンには不具合があるから、次の新しいバージョンを買ってね」というマイクロソフト商法には当然のことながら批判が多いが、OpenOffice.orgにしろMozillaにしろ、金銭的負担はないものの本質的にはそれと同じスタンスをとっているのであって、あまりマイクロソフト批判ばかりしていると足下をすくわれそうである。次からはこの辺も考えて配布した方がいいのではないかと思った。まあ、パッチだらけになるのも鬱陶しいといえば鬱陶しいのだが。要はバランスの問題である。

 今日は相方についてキャットショーに行った。相方の風邪が伝染ってのどが痛いが、様々な種類の猫を見るのは久しぶりで、なかなか楽しかった。といって、結局は他人様の猫がわらわらいるだけの場であるので、小一時間もいると飽きてくる。相方は放っておくといくらでも眺めているので、途中ちょっと抜け出して、階下の中古レコード屋に入った。ここには本当に中古のレコードが置いてある。

 うちには今のところレコードプレーヤがないから、レコード盤を手に入れても飾るか投げて遊ぶくらいしか用途がないのだが、それでも探している盤がいくつかある。YMOの『テクノデリック』初回盤もそのひとつである。大抵の初回限定版はジャケットが豪華仕様だったり特典が付いていたりするものだが、『テクノデリック』についてはそうではなく、ジャケットの写真がそもそも通常版と異なる。

 現在でこそYMOの最高傑作として評価の高い『テクノデリック』だが、発売当時は、前作『BGM』でライトなリスナーを置いてけぼりにしたこともあって、売り上げは惨憺たるものだったようである。初回版についても例外ではなく、つまり現在では比較的入手が困難なディスクのひとつであるらしかった。

 そういうこともあって、ぼくは『テクノデリック』初回版を探していたのだが、今日はオビ付きライナーなしのものがなんと千円で売られていた。もちろん、即購入した。通常版はCDで持っていて、ジャケットの出来としてはまあ通常版の方が上だと思うのだが、ファンとして初回版の入手ほど嬉しいことはないのである。

『テクノデリック』のオビには「先着10万名様に限定ポスターをプレゼント」と書いてある。細野晴臣ではないが、アルファレコードは一体これを何十万枚売るつもりだったのだろうか。おそらくポスターは善良なYMOファン全てに行き渡った事だろう。タイムスリップ出来るなら、ぼくも一枚欲しいくらいである。

 それから、オビの裏面側に「レコードの内容をカセットテープに無断で録音する事は法律で禁止されています」とあるのが興味深かった。十年後に振り返った時、現在のDRMに関する全ての議論が、この文言と同じくらい空虚に目に映じていれば良いが。

2004.10.26

 すっかり風邪引き生活を送っている白林檎である。ぼくには生来アレルギー鼻炎の気があるため、常にティッシュを手放せない。そのようなわけで、保湿ティッシュを発明した御仁には是非ともノーベル医学賞か何かを差し上げたい気分である。もちろんぼくはノーベル賞の選考委員でも何でもないから、そうなればいいなと願うだけではあるのだが、実際ぼくが本当に選考委員だったなら、まず間違いなく彼を医学賞にノミネートする事であろう。保湿ティッシュはナントカ遺伝子の発見などよりずっと臨床医学に貢献している。

 ノーベル賞で思い出したが、昔ぼくはタンタンの冒険物が好きでよく読んでいた。タンタンというのはベルギーあたりの漫画で、ルポライターのタンタンがいろんなことに首を突っ込むうちに事件に巻き込まれて云々というようなシリーズである。

 ちなみに彼の名は原語でTINTINと綴るが、これはもちろん「タンタン」と発音するのであって、他の何物でもないから、婦女子諸君が顔を赤らめる理由などはどこにもない。

 タンタンシリーズはもちろんベルギー語で出版されているのだが、日本語訳の本が福音館書店から発売されている。この日本語訳というのが非常にクオリティが高く、訳語として優れているのみならず、ギャグまでローカライズするという手の込みようである。

 さて、そのタンタンシリーズのひとつに「ふしぎな流れ星」という作品がある。北極に謎の流れ星が落ち、その調査にタンタンと科学者一向が向かうが……という内容なのだが、ストーリーの都合上、科学者ひとりひとりの紹介というのが途中にある。もちろん、架空の人物なのであるが、その紹介文というのがいちいち凝っていて面白い。その中の一説に「ノーヘル物理学賞」というのが出てくるのである。

 小学生当時は、単にダジャレとして面白かった。このノーヘル賞というのはおそらく「脳減る」もしくは「能減る」で、ヘルメットをかぶらずにバイクに乗る事ではないと思われる。少なくともダジャレとしてはその方が面白い。

 年齢を重ねるにつれて、ダジャレとしてよりも批判的なユーモアとしての側面から、このノーヘル賞が頭から離れなくなった。ノーベル賞を受賞するような学者は当然かなりの権威であるのだろうが、その成果は一般人には容易に理解し難い。それをさもありがたがって、古くは湯川博士、最近では田中さんを国の英雄の如くまつりあげるのは実に滑稽なことだ。と、まあ、そういう思いを訳者はこめたのではないかな、と、思うようになった次第である。

 そんなわけで、ノーベル賞選考委員会も、ナントカ遺伝子の発見などといった小難しいことばかりではなく、保湿ティッシュの発明などの身近な貢献にスポットを当ててみるのも、悪くないんではないかと思うのである。