|
|
|
|
2002.8.20
かわぐちかいじの『沈黙の艦隊』を読んでいたら、いつの間にか夜が明けていた。仕方がないからそのまま寝て、起きたらすでに昼を過ぎている。なんとも罪作りな漫画である。
ぼくの作業はときどき待ち時間が発生する。さらに休憩マネージャを入れている関係で1時間に10分間、強制的な休憩時間が入る。そんなわけでキーボードの横には大抵の場合漫画が置かれるんだけど、いやー、こういうちょっとした仕事の合間に読むって用途に『沈黙の艦隊』がここまで不向きとは思わなかった。結局仕事そっちのけで読んでたもんなぁ。一昨日の晩から読み始め、昨日は読んだ合間に仕事をし、で読み終わったのが今朝。バカそのものですな、これは。
この作品が書かれたのは 90 年代初頭のことだ。だから作品の初期段階ではソ連だった国が、後半ではロシアになって登場していたりする。この作品の魅力は何と言っても実名で登場する社会組織と、その上で活躍する実在感溢れた架空の人物達だ。冷静になって考えてみるとこの話にはかなり無理がある。しかし、読んでいると思いっきり引き込まれてしまって、読者というよりも「日本国民」のひとりとして、この虚構の歴史に参加しているような錯覚に見舞われてしまう。海江田艦長一人の力ではないだろう。まあ読んでない方はいっぺん読んでみて損はない。
90年代初頭といえば、インターネットが商用に解放され始めた頃である。誰もその巨大な可能性になど気付いていなかったような時代だ。その時代に、情報のグローバル化や、即座に情報が伝達するネットワーク、個人のための情報網といったものを予言し、実際に匿名の個人の集団が情報を使って世界を動かそうとしている様を描いたのは、すごいとしか言いようがない。手段は主にテレビだったけど。
もしかしたらかわぐちさんって、この頃からインターネットを使っていたんだろうか。Gopher で FTP ? そんな、学者じゃあるまいし。あ、もうこの頃には Mosaic があったんだっけか? でもこんなに発展するなんて、ほとんど誰も思わなかったもんね。やっぱり大した御仁であると思う。
|
|
|
|
Copyright © 2002-2024 WhiteApple all rights reserved.
|