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2004.3.10
近来稀な慶事があったので、京都まで祝いに駆けつけた。B 君とその親友 Y 君が見事受験に成功し、京都まで入学や入居の手続きで来ることになり、そこで祝賀会が執り行われたのである。主催は K さんである。
この会は各家庭に合格通知が届く前からーーそれどころか二人が試験を受ける前から企画されていた。なにしろ彼らが受験に失敗することなどあり得ぬと信じられていたからである。ぼくなどは附属高校からそのまま進学したので大学受験の苦労はとんと知らないが、相方によれば現役で京大に合格するには並々ならぬ知力と努力が必要なのだそうだ。信頼する方は気楽であるが、その信頼に応えたのは立派としか言い様がない。
B 君と Y 君は揃って理系である。理系であるだけでなく、同じ学部に入学するそうである。ぼくは根っからの文系であるから、理系の学問を修められる人は頭の構造が違うのだろうと思っていた。大体、どうやって勉強したらいいのかがわからない。そう聞いてみたら、Y 君は根っからの理系で国語が不得手らしく、勉強するのに苦労したようなことを言っていた。理系でも文系でも似たような悩みが存在するらしい。
しかし国立大学の受験に成功するくらいだから、苦手な文系科目も相応の修練を積んだのに相違ない。ぼくが数学を途中で放り出したのに比べればえらい違いである。父は数学が得意で、お前は俺の息子なのだから数学は得意に決まっている、不得意であると思い込んでいるだけである、そうに違いないと常々宣っていた。それが真実であるかどうかはともかく、今とくと考えてみれば思い込みの強さが遺伝したことだけはとりあえず確実なようだ。してみると数学が得意だと思い込めば得意になるものだろうかと思い悩んだこともあるが、現に不得意であるという事実はどうにもしようがない。中学、高校と六年間も数学の授業を受けた経験がありながら、今もって三角関数の何たるかを理解していないくらいだから、やはりぼくは数学という学問に向いていないのに違いない。
話が逸れた。とにかく、目標をしっかりと据えて、数々の誘惑にも屈せず、見事に志望校を射止めた二人の将来に乾杯。
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