2004.10.24
一昨日、昨日と開催された関西オープンソース2004は無事に終了した。昨年よりも配布できたCDの枚数が少なかったが、これは仕方のない話で、マイナーバージョンアップはえてして話題になりにくいのである。実際、今回のようなバグフィックスがメインのアップデートは、本来的にはパッチで対応すべきではないかと思う。新規ユーザーには単体配布がありがたかろうが、既存ユーザーにとってはありがた迷惑というのが正直なところではなかろうか。
「現在のバージョンには不具合があるから、次の新しいバージョンを買ってね」というマイクロソフト商法には当然のことながら批判が多いが、OpenOffice.orgにしろMozillaにしろ、金銭的負担はないものの本質的にはそれと同じスタンスをとっているのであって、あまりマイクロソフト批判ばかりしていると足下をすくわれそうである。次からはこの辺も考えて配布した方がいいのではないかと思った。まあ、パッチだらけになるのも鬱陶しいといえば鬱陶しいのだが。要はバランスの問題である。
今日は相方についてキャットショーに行った。相方の風邪が伝染ってのどが痛いが、様々な種類の猫を見るのは久しぶりで、なかなか楽しかった。といって、結局は他人様の猫がわらわらいるだけの場であるので、小一時間もいると飽きてくる。相方は放っておくといくらでも眺めているので、途中ちょっと抜け出して、階下の中古レコード屋に入った。ここには本当に中古のレコードが置いてある。
うちには今のところレコードプレーヤがないから、レコード盤を手に入れても飾るか投げて遊ぶくらいしか用途がないのだが、それでも探している盤がいくつかある。YMOの『テクノデリック』初回盤もそのひとつである。大抵の初回限定版はジャケットが豪華仕様だったり特典が付いていたりするものだが、『テクノデリック』についてはそうではなく、ジャケットの写真がそもそも通常版と異なる。
現在でこそYMOの最高傑作として評価の高い『テクノデリック』だが、発売当時は、前作『BGM』でライトなリスナーを置いてけぼりにしたこともあって、売り上げは惨憺たるものだったようである。初回版についても例外ではなく、つまり現在では比較的入手が困難なディスクのひとつであるらしかった。
そういうこともあって、ぼくは『テクノデリック』初回版を探していたのだが、今日はオビ付きライナーなしのものがなんと千円で売られていた。もちろん、即購入した。通常版はCDで持っていて、ジャケットの出来としてはまあ通常版の方が上だと思うのだが、ファンとして初回版の入手ほど嬉しいことはないのである。
『テクノデリック』のオビには「先着10万名様に限定ポスターをプレゼント」と書いてある。細野晴臣ではないが、アルファレコードは一体これを何十万枚売るつもりだったのだろうか。おそらくポスターは善良なYMOファン全てに行き渡った事だろう。タイムスリップ出来るなら、ぼくも一枚欲しいくらいである。
それから、オビの裏面側に「レコードの内容をカセットテープに無断で録音する事は法律で禁止されています」とあるのが興味深かった。十年後に振り返った時、現在のDRMに関する全ての議論が、この文言と同じくらい空虚に目に映じていれば良いが。