2004.11.7
ラトックの外付けリムーバブルケースを買ってきた。FR-DK2という製品で、型番から類推できるようにIDEのHDDを二台搭載できる。さらにはFireWire接続であるため、ホットスワップも可能という優れ物だ。余談だがぼくはラトックのリムーバブルソリューションをやたらと愛しており、うちにはリムーバブルケースだけで五台、交換ケースに至っては十個弱も転がっている。転がっているだけでなく、全部きっちりと活用している。まことにもって、これは素晴らしい製品であると思う。
ラトックの宣伝はともかく、今回これを買ってきたのは、ファイルサーバの環境を移行するためであった。すなわちMac OS XでミラーリングのソフトウェアRAIDにするという計画である。サーバOSは別にMac OS X Serverのままでも構わなかったのだが、もはやメンテナンスすらされていない古いバージョンであることから、クライアント版のMac OS X 10.3で構築することにした。
データの移行は時間こそかかるがそれほど大変な作業でもない。うちではファイルサーバで情報共有用の内部サイトも立ち上げており、ここで使っているMySQLのインストールに若干手間取ったが、それほど苦労もなく完了。あとはクライアントの接続確認だけである。ここで一息ついて、盛りそばを二人前ほど平らげる。
ところが、ここで安心してはならなかったのだ。何と驚いたことに、Mac OS Xの「パーソナルファイル共有」は、デフォルトでは起動ボリュームしかマウントさせてくれないのである。他に同時接続クライアント数が10台までに制限されているなど、Server版とはマイクロソフトばりのセコい差別化をはかっているが、まあこれは実害がないから許せるとして、他のボリュームをマウントさせてくれないとは何たることか。これは明らかにMac OS 9から後退している部分といって良い。
とはいえ、Mac OS Xは一皮むけばUnixなのであるから、何か適当な設定ファイルをいじくれば何とかなりそうである。UnixというよりはOPENSTEPだから、この場合はNetInfoか。左様に当たりをつけてGoogle様にお伺いを立てたところ、案の定、
制限の解除方法があった。制限解除というよりは、普通の手段では設定できない項目をNetInfo Managerでhogeって設定するという手順なのであるが、何はともあれ
ざまぁ見やがれという気持ちで胸が一杯になった。これだからシステムいじりはやめられないのだ。
ちなみに
SharePointsという、GUIの設定ツール──あ、NetInfo ManagerもGUIか。ともかく、よりユーザーフレンドリーなツールもあるので、Mac的な手法を好む向きにはこちらが適しているであろう。
本当は、こんなツールを使わなくても、またServer版を買わなくとも、デフォルトで好きなボリュームを好きなだけ共有出来る方が、精神衛生上ずっと良いんだけどな。システムファイルは仕方がないにしても、自分の資源が自分の思いのままにならないなど、Macの精神に反している。Tigerでは直しておくこと。