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2005.1.28
毎年しつこいようであるが、この時期はMacintoshの降誕祭シーズンである。1984年1月24日、スティーブ・ジョブズの今も変わらぬ得意げな笑みと共に、後にMacintosh 128Kとして知られるオリジナルMacが、大衆の前に姿を現したのだ。発表セレモニーや、一度だけしか流されなかったTVCMなど、今やほとんど伝説として語り継がれているMacintoshの誕生の瞬間である。もっとも、そのインパクトの割にはスペックがイマイチだったというオチも付いていた。その後、アップルはすぐにメモリを512KBに増強したモデルを発売している。
1984年といえばロス五輪のあった年で、ぼくがまだ六歳頃の話である。JRは国鉄であったが、一万円札が聖徳太子から福澤先生に変わったのはこの年だ。確か、中途半端に新しもの好きな父が、発売されたばかりのファミコンを買ってきたのもこの頃だ。CDはまだ出たか出ていないかの頃で、コンポといえばレコードとカセットテープ。ビデオデッキはそろそろ各家庭に普及していたかもしれない。
Macの発表劇は当然アメリカで行われたことで、ネット中継はおろか衛星放送すらなかった当時、日本のコンピュータマニアがその様子を知る術は皆無に等しかったことだろう。いくつかのマイコン雑誌が特集を組んだりなどしたらしく、情報自体は入ってきていたようなことは聞いたが、「なんかグラフィカルらしい」「なんか合成音声で自己紹介したらしい」といったことがいくら言葉を尽くして誌面になっていようとも、半信半疑だったのが当時のマイコン少年(謎)たちの正直な心境だったのではなかろうか。そして同時に激しい憧れをかきたてられたことだろう。
最近、この発表会の映像が、デジタル化されて公開された。スラドで話題になっていた。何でもずっとベータで(ベータというのが泣かせる)保存していた人がいて、何とかいう会社がそれを発掘し、デジタル化したのだそうである。当時マイコン少年だったとおぼしき人々が感動の涙にむせいでいた。
まがりなりにも林檎好きを自認している白林檎としても、これは見ないわけにはいかない。BitTorrentなんぞを初めて使い、この貴重な映像を鑑賞させてもらった。もうね、これはもう、Mac使いなら一度見ておいた方が良い。いかに宗教的と言われようと、自分の愛用するコンピュータの祖先が生まれた瞬間を、我と我が目で確かめることの感動は、筆にもキーボードにも尽くし難い。
英語サイトの上にBitTorrentが必要であるが、リアルプレーヤーがあればストリーミングでも見られるようだ。蝶ネクタイの似合わぬ、若き日のスティーブ・ジョブズを拝めるだけでも、この動画は一見の価値がある。是非に。
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